北欧諸国も崩壊へ!


現在、ある程度産業化を成し遂げた国は全て急激な出生率の低下に直面している。
逆に医学の進歩で寿命が延び、働く能力を喪失した老人の人口は増々増加している。
別に難しい数学を使うまでもなく、働く人が減少して遊んでいる人が増加すれば、現行
の社会制度を維持する限り、その社会が崩壊する事は自明である。

現代は各種避妊具によって性欲と出産とを連動させる必要が無くなり、子供を産まない
と言う選択が可能になった。子供を育てる条件が改善されても若者たちが子供を産む事
を望まないのであれば仕方がないが、望むのであれば産む環境を造る必要がある。
このままでは日本の社会は滅亡に進み、その中でほぼ全員が貧困の中で自滅する。

以下は産み育てる条件さえ整えば、若者たちは子供を望んでいると考えて論じる。
それでは世界中で何か参考になる社会があるであろうか?

日本では北欧の国々が理想の様に語られているように見える。
世界幸福度ランキングでも上位にはフィンランドデンマークノルウェー・アイスラ
ンド・オランダ・スイス・スウェーデンニュージーランドと並んでいる。
どの国も福祉に力を入れており、国民の幸福度が高いとされている国々である。
知識人と言われる人達はこぞってこれらの国々の政策を賛美しているように見える。

筆者は住んだ事が無いので詳細は判らないが、本当に幸福な国なのであろうか?

人の言う事を鵜呑みにしてはいけない。戦後在日朝鮮人北朝鮮への帰還に旗を
振ったのは新聞各紙・社会党共産党鳩山一郎自由党などの知識人達であった。
彼らの無責任な言動に騙されて帰還した9万人もの人々の悲劇は周知の事である。
自分達は現地を見ずして、イデオロギーだけで「地上の楽園」と宣伝したのである。
無責任極まりないと思うが、これが日本の知識人と言われる人達の実態である。

現在、日本の知識人たちは北欧社会を賛美しているが、彼らは現地で何年も暮した事は
ない筈である。暮らしても見ないで「良い社会」と宣伝するのは戦後の知識人と同様で
ある。幸福度を調べているのは国連=欧州知識人であるから、安易には信じられない。


<福祉社会の現状>

上記の国の人々が幸福を感じているか如何かは知らないが、決して子育てに適した社会
とは言えない。彼等もまた日本と同様に出生率の激減に直面している。

幸福度の上位10傑の国々でも合計特殊出生率は1.5-1.75しかない。フィンランドに至っ
ては日本と同率の1.42である。しかもその数字は一貫して長期下落傾向にある。
筆者はなぜこの様な、子供を育て難い社会を幸福と感じられるのかは理解できない。
彼らが筆者とは全く異なる価値観を持っているのか、それともバカなのかは判らない。国連が自分達のイデオロギーの為に恣意的に調査しているのかも知れない。 

いくら「高福祉」でも「高負担」である限りは、それを負担する若者達は貧乏である。
老後の為の貯蓄は不要と言われても、収入の半分も税に取られればどうしようもない。
この様な社会で一番賢い生き方は、自分は子育てをしないで収入は全部自分の遊興に
使い、老後は他人の育てた子供の世話になる事であろう。
もし子無しの人に特別税を掛ければ、それはそれで色々な不都合が考えられる。

少なくとも北欧諸国の政策は「少子化対策」の面では参考にならない。
以前あれ程もてはやされた共産主義も、実際に運用すれば結果は惨憺たるもので、現在
では殆ど見向きもされないものになっている。
どんなに精緻な理論を構築しても、実行不可能なものは「絵に描いた餅」に過ぎない。
福祉社会も余程の改良がなされなければ、将来は打ち捨てられる運命になる。


<弱者に優しい社会は普通の人が苦しむ社会>

今後福祉社会に変わる良い案が出てくるかもしれないが、当面は満足できる案は無い。
無いものはどうしようもない。不満足でも出来る範囲で生きていく以外に方法はない。

少子化対策は簡単である。子育ての経済的及び労力の負担を軽減する事であろう。
まずは子供が社会に出て一本立ち出来る教育を無料で受けさせる事である。親の一番の
心配は子供に必要な教育(現状では約15年間)を受けさせる事が出来るかどうかである。子育ては長丁場であるから、現在は何とかなっても将来は不安である。
また子供を育てる為の物心両面にわたる社会のサポート体制も必要になるであろう。

子供を育てるのは親の責任と考えるのは20世紀前半までの農耕社会の考え方である。
これからは両親共に働く事がスタンダードになるので、社会のサポートは欠かせない。
社会の維持にとって子供が必要なら、社会が費用を負担する事は当り前であろう。

これには何10兆円と言う多額の費用が必要だが、原資は福祉を削る以外に方法は無い。
結局、「弱い人に優しい社会」はその負担で「普通の人が苦しむ社会」になってしまっ
ている。大半の国民は自分が生活をするのがやっとの普通の人達であると考える。
老人に対する健康保険などは一番にカットの対象になるものであろう。
福祉に対する対処に付いては重複になるので、他のブログの項目を見て頂きたい。
本稿では北欧の福祉政策は破綻している事、又それに代わるべき政策は見付かっていない事のみに止めておく。

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